子育て界隈では、よく2歳児は厄介だという話になります。この時期、子どもは、それまで親の言うことにはおおむね従っていたのに、何かとイヤイヤと言って言うことを聞かなくなることが多いのです。
「おそとにいきたい」というので、玄関まで連れて行き、靴を履かせようとすると、「イヤイヤ!」。「靴、はかないとお外へはいけません」というと、「イヤイヤ」。
「じゃあ、もうお外へは行きません」ということ「イヤイヤ、いきたい」。このあたりで、多くの親は途方にくれます。
こういうとき、親は、「外に行くなら靴を履くしかない。それをしないのは筋道が立たずおかしい。」と考え、子どもの「イヤイヤ」は「我儘」であると考えがちです。
しかし、です。考えてみれば、人生をどう生きるか、正しい答えはありません。こういう生き方が正しいというのがあってその通りに生きているとすれば、それはプログラム通りに動くロボットと同じことになってしまいます。その人の人生の道筋はその人が選び取って歩んでいくしかないのです。
筋道が立たないこと、寄り道、回り道、理不尽な要求、子育てにはこうしたことがつきものです。しかし、余裕のある時にしかできないことですが、これらに寄り添うことは、子どもが、いつか自分自身の道を見つけ出し、歩んでいけるために役立つことなのかもしれないのです。おまけに、子どもに付き合って、寄り道や、立往生をしていると、さっさと行き過ぎているとみえなくなった景色や人との出会いがあり、親も楽しめることもあるのかもしれません。
このように、「イヤイヤ」は子どもの最初の独立宣言であり、初歩と同じく、とても大切な一歩ではないかと思います。